包丁研ぎ・はさみ研ぎの道具紹介(初心者向け)

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はじめに

当初は簡易タイプのシャープナー(包丁を隙間に入れて引くだけ)を使っていましたが、一応切れる状態になるものの、「切れ味が鋭い」状態とまではいかず、刃こぼれ(欠け)には対処できないので砥石などの研ぎグッズを集めはじめました。

最初の頃は扱い方がわからず、「シャープナーよりマシかもしれない」程度でしたが、研ぎ方がわかってくると切れ味が段違いになり、柔らかいトマトや硬いニンジンなどもヌルヌル刃が入るようになるので切ってて楽しくなりました!

また、研いでる間は包丁だけに全力集中するので、悩み事があった時に包丁研ぎをすると、だんだん悩み事なんかどうでも良くなってきます。

実用的で楽しい趣味になるので、是非チャレンジしてみてください!

最初に揃えた方が良い道具

必ず必要なのは「砥石」と「修正砥石(面直し砥石)」の2つです。

研ぐと砥石の表面が徐々に減って凹んできますが(特に中央)、この状態だと均等に刃が当たらず上手く砥げなくなります。

このため、こまめに面直しをするため修正砥石も必要です。

砥石は1個しか買わない場合

砥石(#1500 or #2000)

中砥石2000番

修正砥石

砥石の面直し用の修正砥石

1個の砥石で済ませたい場合は「#1500」か「#2000」がおすすめです。

#1000で行う研ぎも#2000で代用できますが、研磨力が弱いので非常に時間がかかります。

ただし、より細かい「#5000」を買う予定があるなら「#1500」や「#2000」は少し中途半端になるので「#1000」を最初に買うのがおすすめです。

私も最初に「#2000」を購入しましたが、結局「#1000」と「#5000」も買い、その後は「#2000」の出番が全く無くなってしまいました。

砥石が2500円ほど、修正砥石も2500円ほどなので、合計5000円ほどです。

砥石を2個買う場合(または買う予定がある場合)

砥石(#1000)

中砥石1000番

砥石(#5000)

仕上げ砥石5000番

修正砥石

砥石を2個買うなら「#1000」と「#5000」がおすすめです。

#1000でも十分に切れますがザクザクした切れ味で、さらに#5000で仕上げるとヌルヌル刃が入るようになり、玉ねぎのカットで目が染みにくくなります(潰れずに切れるため)

この違いは紙の試し切りでも分かりやすく差が出ます。

「#1000」が2500円ほど、「#5000」は少し高く4500円ほど、修正砥石が2500円ほどなので、合計9500円くらいです。

これ以外で買うなら、刃こぼれや厚み抜き用に#150あたりの「荒砥石」、もっと上の切れ味を目指したい場合や、繊細なハサミ(美容院用や布切りばさみなど)も研ぐなら「#12000」がおすすめです。

荒砥石

ナニワ #150 エビ印 ニュー大村砥 荒砥ぎ用 IR-1300

荒砥石150番

1500円ほどです。

荒砥石は刃こぼれ(欠け)や、厚み抜き(肉抜き)など大幅に削る必要がある場合に使用します。

砥石の中では一番安い部類で、55mm厚のものが1500円ほどで買えますが、消耗が早いのと、消耗による凹みが出てくるのも早いので修正も頻繁に行う必要があります。

この砥石は結構吸水性があるため、使用前は15分ほど水につけ置きするか、水道の水をチョロチョロ出して水を吸わせる必要があります(吸わせないと食いつきが悪く滑る感じになっちゃいます)

普段の研ぎでは出番が無いので、必要になってから購入するのが良いです。

SUN UP 荒砥石 ゴム台付 #60

荒砥石60番

600円ほどです。

幅が50mmと狭いので包丁研ぎにはやや使いづらいのと(シャプトンは幅70mm)、食いつきが悪くて滑った感じになって砥ぎにくいです。

ナニワの#150の方がガシガシ削れる感じがします。

吸水性の高い砥石なのかと20分くらいつけおきしたり、表面のコーティングがあるのかとダイヤモンドの修正砥石で削ったりしてみましたが、やっぱり滑るような感じで砥ぎづらいです。

私の使い方が悪い可能性もあるので、とりあえず保管してあります。

中砥石

シャプトン #1000 刃の黒幕 オレンジ

2500円ほどです。

シャプトンの「刃の黒幕」シリーズは軽く水をかけるだけで、すぐに研ぎ始められるので楽ちんです。

ケース付きなので、誤って砥石同士をぶつけて割っちゃうようなトラブルが防止できます。

厚みが15mmと薄いのが心配でしたが、5年ほど頻繁に研いでも2mm減っただけなので、10年以上は余裕で持ちそうです。

刃の黒幕で共通ですが、使い終わって水気を軽く拭いても次回あけてみると表面に少し結晶みたいなジャリジャリしたものが出ている場合があります(研磨剤?)ので、結晶が出てる場合は使い始めに軽く修正砥石をかける必要があります。

食いつきも良く、研いでる感覚がわかりやすいのでオススメです。

キング砥石 #1000

キング砥石の中砥石1000番

厚みが60mmで価格が2800円ほどなので、シャプトンの1/4くらいとコスパ抜群です。

結構水を吸うので、研ぐ前に15分ほど水に浸けるか、水道の水をチョロチョロとかけてやる必要があります(吸水が不十分だと硬くて滑ります)

吸水させた後も少し硬めで、修正砥石の「末広 修正砥石 黒 SS-1」で直そうと思ったら修正砥石の方も少し削れてしまいましたので、これの修正はダイヤモンド砥石が必要です。

しっかり水を吸わせたあとは、シャプトンまでは行かないものの食いつきも良くて良い感じで、試し切りした感じではシャプトンの#1000より上な感じがします。
コスパ抜群なのは良いですね。

使用前に15分ほど水につけ置きしますが、吸水してる最中はプクプクと小さな気泡が砥石から出てきます。

砥石使用前に水を吸わせる

シャプトン #2000 刃の黒幕 グリーン

一番最初はこれを買いましたが、「#1000」と「#5000」を買ったあとは出番がありません。

シャプトンの#1000ほどではありませんが、食いつきも良くて研ぎやすく、研磨力も高めです。

切れ味にも満足できたので、絶対に1個しか買わない場合はこれを選択するのもアリかもしれません。
研ぐ時間がかかっても良いなら#1000の代用も出来なくはないですが、研磨力は#1000より弱いので相当時間がかかります。

仕上げ砥石

シャプトン #5000 刃の黒幕 エンジ

4500円ほどです。

砥石は番手が上がると研いでる感覚が小さく、滑ってるような感じになってきますが、これは#5000なのに研いでる感覚がわかりやすいのでオススメです。

紙の試し切りだと、#1000だとザクザク切れる感じですが、これで仕上げるとスルスル刃が入っていく感じになり、紙に包丁を軽く当てた時の食い込みもサクサク入るようになります。

あと、#1000あたりで仕上げた包丁で玉ねぎを切ってると涙が出てきますが、#5000以上で仕上げると相当軽減します(潰れず切れるため)

#1000や#2000あたりで研ぐと刃先はつや消しですが、この#5000あたりから少しツヤが出てきます。

少し切れ味が落ちた程度であれば、この#5000で軽く研ぐだけで切れ味が戻るため、頻繁に研いでた頃は一番出番の多かった砥石です。

#1000に比べると片面研ぎ終わりの「カエリ」も微細になってくるため、指先の感覚を覚える練習にもなります。

また、お値段4500円と、#1000の2500円と比べるとかなり高いですが、減るスピードが遅いので凄い長持ちします。

シャプトン #12000 刃の黒幕 クリーム

最終仕上げ砥石12000番

5000円ほどです。

紙での試し切りでは#5000よりもさらに抵抗なくヌルヌル入るようになり、紙に刃先を軽く当てた時も#5000よりサクサク入りますが、#1000から#5000ほどの差は感じにくい気がします。

試し切りで、ほんの少し切れ味が気に入らない程度の切れ味の劣化ならこれで砥げば回復します。

#5000よりもさらに刃先がキラキラとツヤが出てきますが、砥石は硬くて当たりが強いため、この番手でも完全な鏡面にはなりません(ピカール液などの方が遥かにピカピカです)

これもお値段は結構しますが、#5000と比べてもさらに長持ちするので一生使えるんじゃないかと思います。

美容師さん用のハサミなどはさらに切れ味が必要なので、髪の毛を切ってみると#5000より明らかに切れ味が増してるのがわかります(#5000だとブツンと切れるのが#12000だと抵抗が小さくスパッと切れる感じです)

美容院用のハサミはさらに上の#30000まで仕上げた方が良さそうですが、価格が35000円ほとど、0が1個多い超高級品なので手が出ません。

あと、裁縫用の布切りばさみ(裁ちばさみ)も、#5000ではいまいちなので#12000まで研ぐと滑らかに切れるようになります。

修正砥石(面直し)

末広 修正砥石 青 中・仕上砥石修正用 SS-2

2500円ほどです。

#1000以上の砥石の修正に使っています。

溝が深いので目詰まりすることなく効率よく修正でき、仕上げ砥石に使った場合でも表面が滑らかに仕上がって非常に良い感じです。

大きく凹んだ砥石の修正には力不足なので、先にダイヤモンド砥石で平面を出したあとに、これで仕上げると良い感じになります。

透明カバーは外して背面に装着すると取っ手になります。

修正砥石

末広 修正砥石 黒 荒・中砥石修正用 SS-1

荒目の修正砥石

2000円ほどです。

大きく中央が凹んだ砥石の修正にと思って購入しましたが、研磨力が期待に及ばず、ちょっと中途半端な感じです。

砥石は面直しを繰り返すと角が鋭利になり、指を切ったりするので角を落としていますが、キング砥石の#1000に使ったところ、1発で削り負けしてしまいました・・・

同じセラミック同士でも、キングの方が硬かったのかなと思います。

ノーブランド ダイヤモンド両面砥石(#120/#180)

修正砥石として使うダイヤモンド砥石

2000円ほどです。

研磨力は抜群で、硬いキング砥石の#1000も非常に効率よく面直しが進みました!

溝はありますが非常に浅いので、平面に近くなってくると、目詰まりと研ぎ汁が絡み合って砥石に吸着してしまうので、こまめに水で流しながら面直しする必要があります。

両面使えますが、#120と#180のコンビだと対して目の細かさが変わらないので失敗しました。
「#120/#1000」もしくは「#120/#400」あたりの両面があれば、そちらがオススメです。

荒砥石にはこれ単体で、中砥石の#1000~#2000はこれの後にセラミックの修正砥石で表面を整えないと磨きキズが残ってしまいます。

#120や#180は粒子が結構大きめなので、#5000以上の仕上げ砥石に使うと、その後の傷消しが結構大変です。
やっぱり「#120/#1000」くらいのダイヤモンド砥石が欲しかったなと思います。

一応これでも包丁やハサミなどが砥げますが、セラミック砥石に比べると非常に粗いので切れ味が微妙なのと、表面についているダイヤモンドの粒子が剥がれてきてしまうので、包丁研ぎはセラミック砥石でやった方が良いです。
砥石の面直しをする程度なら粒子の剥がれは気になりません。

すぐにサビが出てくるのが弱点で、ダイヤモンド砥石自体のサビはあまり気にしなくても良いですが、サビが砥石に付着したらしっかり洗い流した方が良いです。

砥石の修正(面直し)は、まず鉛筆などで砥石の表面にガシガシ線を引きます。

修正砥石をかけると、凹んでいる箇所は修正砥石が当たらないため、線が残ります(そこが凹んでる)

何度か修正して鉛筆の線がきれいに消えるようになったら平面が出ている証拠です。

砥石の凹みの確認と修正

それ以外では平面が出ている精度の高い定規を当ててみる方法もあります。

定規を砥石にあてて横から観察し、光が漏れている箇所が凹んでいるという感じです。

シンワの「アル助」は30cmタイプでも250円と安く、きれいに平面が出ていて良い感じでした。

専用の道具だと、対象物が真っ直ぐかどうかを観察する「ストレートエッジ」という道具もありますが、安いもので1500円前後、高いものだと5000円以上するのと、そこまでの精度は必要ないと思います。

砥石台

伊藤製作所 ワン・ツー・スリー 砥石台センター付 GS-TC

砥石台

2500円ほどです。

砥石の長さに合わせて調節できます。

とても頑丈で、ほとんどグラつきが無く安定します。

伊藤製作所の「ワン・ツー・スリー 砥石台」は値段の高い、約4000円のステンレスタイプ(GS-S)と、私が買った約2500円の鉄にクロームメッキタイプ(GS-TC)がありますが、安いクロームメッキタイプでもメッキが剥がれなければサビません。

使用後は軽く水を切って、フックに引っ掛けておいてあるだけですが、1年ほど使ってもサビは出ていませんので、メッキがしっかりしてるのかもしれません。

ちなみに、シャプトンの「刃の黒幕」シリーズは収納ケースが砥石台を兼ねており、ケース上部は砥石が動かないように上下左右に突起があり、下面は4箇所に滑り止め用ゴムがついています。

砥石ケース背面の滑り止めゴム足

一応滑り止めにはなりますが、台所の作業台などは汚れ防止のためか少し滑りやすくなっているため、4箇所のゴム足だけでは結構滑ります。

ケースでなく、砥石台を使えば安定しますが、砥石台を買わない場合は下にビタビタに濡らしたタオルを敷くと滑りにくくなります。

試した感じでは、「伊藤製作所 ワン・ツー・スリー 砥石台センター付 GS-TC」と、「刃の黒幕のケース + ビタビタの濡れタオル」と近い程度のグリップ力でしたので、試してみて満足行くようなら砥石台は別途購入する必要はありません。

次に紹介する「スライドラック」に「グリップテープ」を貼り付け、この砥石台を乗せると凄いグリップ力を発揮し、面直しでも砥石がほとんど動かなくなります。

シンクブリッジ

末広 砥石用 スライドラック TDG-55

研ぎが便利になるシンクブリッジ

お値段3500円ほどです。

台所の流し台(シンク)に橋渡し(ブリッジ)をして作業台にするアイテムです。

いくつか試しましたところ3500円と少し高いですが、末広のものが頑丈で良かったです。
面直しをガシガシやってもビクともしません。

ゴムの砥石台とシンクブリッジが一体になった製品も試しましたが、ネジ穴がすぐ駄目になってしまいました。

裏面にネジが2箇所あり、緩めることでスライドし、370mm~625mmまでのシンクに対応できます。

伸縮するシンクブリッジ

上部はツルツルだったので滑り止めテープを貼ったところ、すごいグリップ力になりました!

シンクブリッジに滑り止めゴムを貼り付け

砥石台と砥石もセットしてみたところです。

水を流しても手前に流れてこないのも良い感じ。

シンクブリッジと砥石台と砥石の3点セットを設置したところ

グリップテープは、TRUSCO(トラスコ)の、「ゴム製すべり止めテープ 50mm x 5m巻 G10-505」で、900円ほどで購入できます。

屋外で使用可能なタイプで、ものすごい頑丈さとグリップ力で、面直しではこの上に直接砥石を置いて作業していますが、ガッチリ固定されるので面直しが楽になりました。

直接砥石を置いて研いでも良いですが、シャプトンなどは厚みが15mmと薄いため、不意にグリップテープに包丁がひっかかると危ないので、砥石台(もしくはケース)を置いて研いでます。

貼り付けた滑り止めゴム

5mはちょっと長すぎますが、凄い頑丈さなので色々なところで使えます。

「グリップテープ」+「ゴムの砥石台」の組み合わせにすると、豪快に面直ししてる最中でも全くブレることなく安定します。

上記のグリップテープも砥石台も固いゴムなので相性が良いのかもしれません。

セラミックシャープナー(棒)

棒砥石

700円ほどです。

これで包丁研ぎもできますが、仕上がりは#1000くらい、研磨力は体感で#5000くらい?な感じなので効率が悪く、砥石と違って均等に刃先を当てるのが難しいので微妙です。

穴あけポンチを研ぐ際に、外側は砥石で砥げますが、内側が砥げないのでこれで「カエリ取り」をしています。

もう少し細いのがあれば、パン切り包丁の表の研ぎに使えそうですが、これは直径12mmと結構太いので微妙です。

鎌砥石(ミニ砥石)

ミニ砥石

350円ほどです。

鎌砥石の名称のとおり、カマは曲がっているので包丁研ぎ用の砥石だと当たらないため、この小さい砥石で研ぎます。

鎌も包丁と同じく「片刃」と「両刃」があるので同じように研ぎますが、砥石が小さいので砥石の方を動かして研ぎます。

豚革の革手袋(厚手)を装着して作業すると手が切れなくて安心です。

ダイヤモンドシャープナー(棒)

ダイヤモンドやすり

ダイヤモンドやすりはノコギリや、ノコギリ状になっている鎌の刃などで使っています。

1個ずつ小さな刃を研ぐのは大変ですが、よほど丸まってない限り1~2回擦れば「カエリ」が出るので、思ったよりは早く砥げます。

草刈り用の鎌であれば、結構粗いダイヤモンドシャープナーでもよく切れるようになります。

あんまり目の細かいシャープナーだと何度もこすらないと砥げてこないので大変です。

コンクリートブロック

刃の欠けなどで重宝するコンクリートブロック

ホームセンターなどで100円で売ってます。

包丁先端の欠けや、大きな「刃こぼれ」などはこれで最初に削ってやると、砥石の消費を抑えられます。

ただし、たまに大きめの石が混じってるコンクリートブロックもあるので、購入する際は見た目や手触りで良さそうな個体を選んだ方が良いです。
できるだけ粒が均等になっているものが良いですが、大きな粒が飛び出ていなければOKです。

コンクリートブロックは研磨力が高いですが、包丁が熱を持って「焼戻し」が起こってしまう可能性があるため、必ず水をかけながら作業します。

「焼戻し」とは「焼入れ」で硬くなった金属が再び高温にさらされることで柔らかくなってしまう事です。

試し切り用紙など

薄手の広告紙

軽く包丁を引きながら引き切りします。

刃の状態が良くない箇所があると、「滑って切れなかったり」、「紙がやぶれたり」、「切る抵抗が大きくなったり」するので、刃先から刃元まで満遍なくチェックします。
また、刃の状態が悪い箇所があると、その箇所だけ切り口が「毛羽立った」感じになるので、紙の切断面もよく観察します。

非常に鋭角な刃をつけた場合は薄手の広告紙でも押し切りができます。
紙を持ちながら包丁を真っ直ぐ下ろすのは難しいので、包丁は真っ直ぐ下を向けたまま、紙を上に引き上げるようにすると擬似的?な押し切りのテストができます。

研ぎ後の試し切り

上の紙は少し厚いので、もっと薄い方が良いですが、元々捨てる紙を再利用できるのは良いですね。

切っ先(包丁の最先端)もしっかり刃がついていると、軽く当てただけでザクッと食い込みますのでチェックしておきます。

紙での試し切りで確認できるのは刃先から刃元まで刃がちゃんとついてるかどうかと、ある程度の切れ味の確認です。
普段の研ぎは刃先の小刃だけ行いますが、何年も研いでいくと切り刃が後退し、刃先から急に太い「ナタ」のような形状になっていき、こうなると紙での試し切りや、ネギやキャベツなどはサクサク切れるのに、ニンジン、玉ねぎ、レンコン、りんごなどを切ろうとすると、刃先は軽く入るのに、そこから刃が入っていかなくなります。
このような場合は切り刃をつけ直すために厚み抜き(肉抜き)をする研ぎ方をして修正します。

インクジェット用紙やコピー用紙

インクジェット用紙は薄いものでも92μ(0.092mm)ほどなので、試し切りには少し厚めですが、切れ味のチェックには使えます。

薄手の広告紙はインクジェット用紙よりも薄いので、より繊細な切れ味確認ができますが、どうしても無い場合はインクジェット用紙やコピー用紙でもOKです。

包丁を軽く当てただけで食い込むか、「食い込み」テストをしたい場合、120μ(0.12mm)とやや厚手の用紙の方が連続でテストできるので便利でした。

新聞紙

車庫に保管してあったので保管状態が悪いのだと思いますが、繊維に偏りがあるような感じで、同じように切っても破れる新聞があったりと、試し切りには微妙でした。

新聞紙の表面で包丁をなめすことで、微細なバリ取りができるので、それ専用にしています。

新聞紙は非常に薄くて良いのですが、試し切りには同程度かそれ以下の薄さの「広告紙」がベストでした。

布やビニールなど(はさみの場合)

はさみの場合、キッチンバサミなら薄いビニールが切れればOKですが、裁縫用の布切りばさみ(裁ちばさみ)はビニールより難易度の高い布を扱うため、実際に使うような布切れで試し切りしないと切れ味がわかりません。
引っかかる場合は砥げてない証拠ですが、滑らかでなくブツブツ切れるように感じる場合はより上の番手で仕上げる必要があります。

美容師さんのハサミは裁ちばさみより繊細なので、できれば実際の髪の毛の切りカスで試すのがベストですが、なければそれに近い編み込まれたような布である程度判断できます。
完璧に研げた状態だと軽く指で触れるだけで指の薄皮に切れ目が入るくらいになります。

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