Logitec ガチャベイ LHR-2BRHU3(RAID0/1/JBODに対応した安価なHDDケース)

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Logitec ガチャベイ LHR-2BRHU3

Logitec ガチャベイ「LHR-2BRHU3」は、送料込みで6000円ほどで買えるRAID0、1、JBODに対応したHDDケースケースで、ディップスイッチを「Single」にすれば通常のHDDケースのように別々のHDDとしても扱えます。

3.5インチが2枚装着でき、インターフェイスはUSB3.0です。

Logitecのガチャベイケース

この価格帯では珍しく、RAIDの管理やイベントログ、異常時などにメール通知が行える「Logitec RAID Manager」という管理ソフトが使えます。
6000円でここまで出来るHDDケースというのは凄いので紹介したいと思います。

サーバー向けRAIDのような信頼性は期待していないし高すぎるし、プライベートなHDDだけど急にダウンするのは困るという用途にピッタリな感じで、RAID1で運用していれば交換用HDDが届くまでの猶予くらいはあると思いますし、個人用途としては非常に良い感じだと思います。

構造

HDD固定

HDDは下に差し込んで、前後を付属のネジで固定します(HDD2台の場合は4箇所)

ネジ止めする本体側もプラスチックとなっており、全体的にプラスチック率が高いですが結構しっかりしています。

HDDを2本挿したところ

HDDは通常基盤側を下にして配置するため、メーカーもそれを前提に動作確認や耐久性の検証もすると思うので、縦に置くというのが少し気になりましたが、よく考えてみたら横向きのHDDケースは長年使っているので問題ないのかもしれません。

あと、固定はできませんが2.5インチのSSDも装着できました。

ファン

冷却ファンは背面の上部あたりに設置されており、同じLogitecの「LHR-4BNHEU3」と比べて相当静かなので、テレビ横においたりしても邪魔にならないと思います。

比較対象の「LHR-4BNHEU3」は4台収容の以下のもので、同機種でRAID対応モデルがありますが、これは安価な非対応モデルです。
HDDが4つ設置できるものですが、今回紹介した「LHR-2BRHU3」と比べて冷却性能がかなり低くて夏は非常に厳しいです(室温30℃くらいでCtystalDiskInfoで注意判定になる事がありました)
ファンを高回転なものに交換したらHDDの温度が少しマシになりましたが、構造的に前面最下部から吸って(フィンみたいな下部の小さいところ)背面から排気なので、風の通り抜けが非常に悪く、密封状態でもないので冷却にムラがあり、冷却性能は非常に悪くて、前面のパネルを開いた状態にするだけで、S.M.A.R.T.で確認できる温度がすごい下がるくらいです。
真正面から後方に真っ直ぐ排気する構造だったり、内部で整流板があればもう少しマシになると思うので加工する予定ですが、未加工の状態で夏にエアコン無し環境で使うのは厳しいと思います。

また、「LHR-4BNHEU3」は実売価格が12000~15000円くらいなので、これを1台買うなら「LHR-2BRHU3」を2台買ったほうが、価格も同等、RAID付き、冷却性能は高めと、全ての点で良いです。
複数置くと少しだけ場所を取るところが欠点なくらい。

同社の4台収容HDDケース

風量は弱めですが、配置が良いのか室温27℃の状態で長時間動作させても温度上昇は全くありませんでした。

個人的には熱のこもる、もっと最上部に設置して欲しかったですが、この位置でも良い仕事するみたいです。
よくあるHDDケースより隙間が少なく、密封したような状態なので空気の流れがうまく出来ているのかもしれません。

排気ファン

表記は以下のようになっていました。

搭載ファンの公式サイトで見当たらなかったので回転数や風量が不明ですが、消費電力が「2.0W」とあるので、交換時はこの消費電力やファンの形状(羽の角度など)を目安に選定すれば良いと思います。

YOUNG LIN TECH CO.,LTD
www.yltc.cn

DC BRUSHLESS FAN
MODEL: DFS601012M

DC 12V - 2.0W

縦横「60mm」のファンで、2線式です。

ファンの寸法

厚みが「10.7mm」と、かなり薄い部類のファンですが、特殊なファンではないので代用品は入手可能です。

NASのドライブとして夏場も常時稼働させるなど、もっと冷やしたい場合は少し高回転のファンに交換してもいいかもしれません。

ファンを取り外すとこんな感じです。

HDDの間など、結構余裕があるので多少加工すれば厚みがあるファンでも何とかなりそうな感じですね。
ほぼ「プラスチック」というのも、加工や造形がしやすくて良いんじゃないかと思います。

一番劣化が早くて故障しやすい冷却ファンが交換しやすいのはありがたいです。

電源も劣化しやすいですが、外部(ACアダプタ)なので近い出力のものに手軽に交換できますし良い感じです。

ACアダプタ

出力は12V – 3Aです。

ACアダプタ

12V-3Aだと36Wなので余裕があまり無さそうに見えますが、スピンアップが20WのHDDを2台接続しても問題なく動作するので、起動電流に対応できるようになっているのだと思います。

ファン交換する場合も、このサイズのファンなら消費電力はしれているので問題なさそうです。

外部電源方式なので、もし電力が不足するようならACアダプタを出力アンペアの大きいものに交換するのもありだと思います。
ACアダプタは邪魔ですが、こういった場合は利点になります。

スイッチ類

背面下部に電源ボタンのほか、RAID構成を変更できるディップスイッチなどがあります。

ディップスイッチを変更したあと「MODE」ボタンを押しながら「電源ボタン」で電源投入し、しばらく「MODE」ボタンを押しっぱなしにするとRAID設定が変更されます。

RAIDが正しく設定されたのかはLEDで判断するか、RAID Manager(専用ソフトウェア)で確認できます。

設定用のディップスイッチ

ディップスイッチでの設定と、RAID Managerでの設定が異なる状態になる場合があるので注意が必要です。

ディップスイッチでRAID1になっていても、RAID Manager(専用ソフトウェア)でRAID0に設定できたりするので、説明書にもありましたが間違わないようにディップスイッチも同じ状態にしておいて下さいと書いてありました。

ディップスイッチでRAIDの設定をした場合は、RAID Managerでその状態が確認できます。

RAIDマネージャソフトウェア

Logitec RAID Manager

「Logitec RAID Manager」はこのHDDケースの状態の確認や、RAID設定の変更、ログ確認、メール通知などが行えるソフトウェアです。

安価な製品だと、こういったソフトウェアは提供されない場合がほとんどで、現在の状態は正面LEDなどに頼るしかありませんので、6000円でこれが使えるのは凄いと思います。

ソフト起動後にHDDケースを認識するまでに数分かかる点以外は非常に良かったです。

RAID管理

運用中

RAIDマネージャでの情報確認

デグレード

動作中にドライブを外して戻したところ「デグレード」になりました。

リビルド

実際の運用では、故障したHDDを新しいものに交換して電源を入れると自動でリビルドが開始され、リビルド中は前面LEDが赤く点滅します。

リビルド中のLED色

リビルド中は「RAID Manager」からも進行状況が確認できます。

ドライブの情報表示

上部メニューからドライブを選択すると下部に個々のHDDのS.M.A.R.T.の情報が表示されます。

RAIDコントローラ経由だとCrystalDiskInfoのようなソフトから確認できないので、こういった情報が確認できるのはありがたいです。
このような機能がない場合はHDDを外して単体でPCに接続しないとS.M.A.R.T.が確認できません。

ドライブのSMART情報

イベントログ

イベントログ

メール通知機能

メール通知機能もあります。

HDDの状態であればCrystalDiskInfoでS.M.A.R.T.の情報を確認してメール通知すれば良いですが、RAIDの情報はこれでしか取得できないので、専用ソフトにメール通知があるのはありがたいです。

メール通知機能

通知条件は以下のとおりです

  • RAID異常(デグレード検出)
  • リビルド完了
  • HDD温度異常
  • HDD S.M.A.R.T.異常
  • 空き容量不足

その他

必要な条件は網羅されており、テスト送信ボタンもあったりと、非常に使いやすかったです。

あと、「Logitec RAID Manager」はインストールが必要なソフトですが、「Program Files」フォルダ内の「Logitec」フォルダをコピーして取り出し、中にある「RaidMgr0.exe」を実行したところ、ポータブルでも動作しました。

「RaidMgr0.exe」の実行時にはユーザーアカウント制御(UAC)ダイアログが出ますので、出さないようにするにはタスクスケジューラに登録するなどの対処は必要です。

 

この「LHR-2BRHU3」は、価格に対する満足感が非常に高く、Logitecの本気が見えたのが良かったなと思いました。

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